自分の発する匂いとは

勉強会やレッスンに参加なさってる方はよくご存知の

「自分の発する香りを把握する」ということ。


これは、実際に臭いとかいい香りがするとかそういったものではなくて、

その人に感じる匂い、印象みたいなもののことです。


「人間の本性は、ほのかな芳香となってすべての行為に匂い出る」


という言葉があるのですが、これが一番イメージしやすいかと思います。


なんとなくわかりますよね。


人間は、それぞれ健康状態、年齢、職業、人種、性別などを反映した

独自の匂いをはなっていますが、私たちが他人から受ける直接的で

かつ強い印象は匂いであると言われています。


他人の肉体の匂いをかぐことは、口と鼻から肉体そのものを吸い込むことであり

瞬時にして、もっとも秘められた部分、いわばその肉体の本質を捕らえることである。

匂いが私の中に入り込むことは、他人の肉体が私の肉体にとけこむこと。

しかしそれは、肉体を離脱した肉体、気体となった肉体、

完全なかたちでそこに残りながらも同時に、揮発性の精気と化した肉体なのである。


これはサルトルの言葉です。


直接鼻をつけて他人の肉体をくんくんと嗅がなくても、

その人から発する匂いの印象を私たちは感じとっています。

これって毎日普通にやっていることですね。


自分にとって具合が悪いなと感じる匂いを放つ人と一緒にいると、

その匂いを自分の口から鼻からすいこむことで、

相手の肉体を自分の肉体に溶け込ませてしまうことになってしまうので、

ストレスになったり調子崩すことに繋がる。

この感覚、とってもよくわかる。


しかし、他人からの受ける匂いといったことには人は敏感なりますが、

でもその前に自分が放っている匂いはどうなのかきちんと把握しておくことが

大事だったりします。


人と接する時、自分はどんな匂いを放っているのか、

それを香りに置きかえてみるとイメージしやすくなります。


例えば、自分が大切な人に対して発している匂いは

花や果実のような魅惑の香り、または森林のような癒しを感じさせるものなのか、

それとも、泥くさい香りなのか、残り香が悪いものなのか。。。。。


母性が強いおかあちゃんの匂い、っていうのも最近は多いらしいですが。


香りの勉強をしている方だったら、こういった匂いを香料にあてはめて捉えると

いったことがよくわかるんじゃないでしょうか。


調香は、技術を学んでいい香りを作る、ということに本質があるというよりは、

自分の心を冷静に見て、バランスを整えていくこと、

つまり自分の嗅覚を客観的にみること、ここが大きな魅力であり面白さ

なのだと思いますね。


自分の心を見ず、嗅覚も怪しい状態では、他人のことを感じることもできない。

常に自分の心を見つめ、自己を蔑ろにしないこと。


香りの世界に触れるようになってくると、精神や心の鍛錬や魂の磨きといったことが

普通にできるようなるので不思議だったりします。


グループレッスンだと、香りを作ること以外にもこの日のような香り談義も

みんなとすることができるので楽しいですよ。

もちろん、個人レッスンでもじっくりその辺りのことを見つめながら

学ぶことができますし、私は両方のやり方で勉強しています。

香りの世界に興味がある方、自分の感覚を見直したい方には

やっぱり調香はおすすめですね!

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