嗅覚について(絵画から思うこと)

昨日から鼻風邪をひいたようで、鼻水、鼻づまり、くしゃみがとまりません。。

鼻がきかないと食べる物の味がよくわからないので、ごはんを食べていても

あまりおいしくないですね。

味覚って舌で感知するだけでなく嗅覚による影響も大きいなということを

いまさらながら感じた私です。

鼻が鈍ると、わかりやすい濃い味を求めたり、逆に満足感が鈍ってしまって

食べ過ぎてしまったりということが起こる場合もありますね。


視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。。。。このような五感によって

私たちは様々な感情を与えられて生きており、

五感はそれぞれに独立したものではなくお互いに複雑にかかわり合っています。


こちらはブリューゲルとルーベンスの「五感の寓意画」の中の一つで

「嗅覚」を表現した絵画です。


女性は女神フローラで、その周りにはたくさんの花が咲き乱れています。


この「嗅覚」の絵の他に、視覚と嗅覚の2つを表現した絵がこちら。


五感を絵画で表現するというのはとてもおもしろい発想ですね。


この2枚の嗅覚に関係する絵には「花」がそれをあらわすものとして

登場しています。

この絵画の花の絵をみていて、花は様々な色合いを視覚で感じて美しいと思うより

そこに香りがあるからこそ、その美しさに深みがでるのだろうと感じました。


味覚、視覚、そしてそこに嗅覚の存在があると、感じ取るものがより心に響きます。


今、たまたま私はひどい鼻づまりですが、これがずっと続くと思うと

当たり前の日常が無機質な楽しみがないものに感じられてしんどいな~と思うのです。

自分の感情がなくなるような、そんな感じでしょうか。


2枚目の絵画に描かれている視覚を表すものは、沢山の絵や鏡など

なんだかごちゃごちゃしていて、見ていると目や脳が落ち着かない感覚になります。

現代の情報の入り方もこのような感じと同じかもしれませんね。


視覚や聴覚から入ってくる情報は、明確だし解りやすいし、嗅覚を使って得られる

情報量とは雲泥の差があると言われています。

わかりやすく見えるもの、聞こえるものだけを取り入れていると

頭脳はそれなりに育つかもしれませんが、感性というものは育ちにくいかもしれません。


沢山ある情報の中から、本当に必要なものをつかみ取る力は、視覚や聴覚だけに

たよっていると発揮することはできないように思いますね。


今日はある資料の作成に時間を費やしていて、あふれる健康情報の中から

何がいるもので何が捨てるべきものか、ということをずっとやり続けていたのですが

鼻の調子の悪さのせいもあって、どうも脳の働きや判断力が鈍ってしょうがない。


情報整理していると、「いろいろ得た中でおそらく今はこれが必要だろうな」というような

なんとなくの情報の相場感みたいなものが働いてくるのですが

これが鈍ると、結構しょうもないことで迷う。。。。。。。


嗅覚というものがその情報選択の相場感に与える影響は大きいように思います。

情報だけでなく、人間関係もそうですね。


情報を得るために情報収集にいそしむこともいいことですが、

その中からきちんと自分にあったものを選択できるようにするには

まずは自分自身の五感のバランス、調和がとれているかを

振り返ってみるもの大切なことかもしれません。